運転フレイルに陥らない~白内障手術を経て~

白内障の初期症状?運転中に一番感じた衰えは目

運転中、自分の衰えが一番に気になりだしたのは目だ。1、2年前になるが、妙にフロントガラスが汚れているように感じ、拭うのだが、期待したほどクリアにならない。なにか、ピントがボケ気味なのだ。

その内に、夜間の対向車のライトがギラリと目を刺すようになり、その光の周辺がすごく暗く、無灯火の自転車を見落とすことが起きた。

さらに、昼間でも太陽の光がやたらに強く、眩しく、角度によっては前車の後部のヒカリ物に反射する光や朝日夕日のビルの跳ね返りにも苦痛を感じるようになった。

自然と夜間の運転は避け、日中も朝、夕の太陽が低い位置での運転を避けるようになった。

衰えへの抵抗

もちろん、老いへの抵抗はした。調光レンズの眼鏡に変え、また、サングラス等でカバーできないかと試したが、自分の場合は、幾分改善される程度で、日を追うごとに、眩しさに追い詰められていった。

検査、そして白内障手術

仕方なく、眼科を受診、予想通り左右共に「白内障」の診断だった。このままでは運転免許条件の視力0.7を維持するのは難しいということで、いやいやながら手術を受けた。

手術当日、意外だったのは、目の前で展開されているはずのメス等の動きが隠され、見えなかったこと。どんなマジックだったのかは不明ながら、手術への怖さは半減し、身体の緊張も解けた。

白内障手術後に感じたこと

翌日、病院で眼帯を外してもらった。第一印象は、「エッ明るい!」であった。

それまで薄暗く感じていた診察室だったが、ベールが外れたように明るいのである。

決定的だったのが、外へ出た瞬間だ。世の中がこんなにクリアな世界であったとは、青空がどこまでも青く、雲が白く輝いて見えた。

75年の歳月の澱が一気に吹き飛ばされ、何十年ぶりかの爽快さだった。

視力がある程度安定する一週間後から運転が解禁となった。この時、眼鏡使用だが両眼ともに1.2を記録、中学以来の視力だ。

車内のハンドルや計器類が新鮮で、なにか楽しく、エンジンをかける手も軽い。

走り出して驚いたのはセンターラインの白さだ。純白なのだ。案内標識の文字も道路脇の看板もシッカリ読める。ものがよく見えることがこんなにも気持ちを明るく、前向きにしてくれるとは、驚きだった。

ただ、見え過ぎる故の注意点もある。いままで、カーナビ等の文字はほとんど見ても読めなかった。

それが読めてしまう。道路脇の標識や看板等もだ。結果、文字を読み、意味を考えることに繋がり、脇見時間が一瞬長くなるように思う。

好事魔多し、「Clouds always follow the sunshine.」と英語では言うらしいが、まさに、再びの明るさを曇らせないように、我が高齢脳を戒めて、これからもハンドルを握り続けたい。

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